鑑賞記録

中将姫雪責の段

中将姫というと一夜にして曼荼羅を織り上げた徳の高い人というイメージなので(文楽での話とは別人みたいですが)、文雀さんの人形は実にピッタリだと思います。肌着に素足でも高貴。 中将姫と岩根御前は確か以前、本公演で観たときと同じ配役だと思いますが…

権四郎

役作りをきっちりして重心低く扱わないと、包丁出してきたと思えば「武士の家族だ」と喜んだりする軽い爺さんになってしまうと思います。それだと「また槌松を産んで見せをれ」が無神経な言葉に聞こえてしまう。でも年齢を重ねて分別もある老人が言えば深い…

松右衛門 実は 樋口

床が、午後の方が攻めの語りというか濃かったので人形も違って来たのかもしれませんが(私が観たのは最後の方でしたので)、松右衛門もかなり違って見えました。 強いて簡単な表現にすれば、玉也さんのは「松右衛門寄り」で玉志さんのは「樋口寄り」だったかと…

一番違ったこと

人形の細かい点は(権四郎の包丁とかおよしのヤキモチとか)置いておくとして、立ち位置が違う場面があったので不思議に思いました。あれは、どっちでもいいのでしょうか? 松右衛門が帰ってきた後。およしの「〜〜ぼんよ父様お帰りなされたかとなぜお傍へ行き…

お筆

いろいろ細かく書いた感想を一瞬で消してしまったので、まだ書いていなかったお筆のことを先に書くことにしました。すごく印象が違ったのは権四郎・およし親子、次に松右衛門、という感じでそれについて書いて、お筆については別枠で書こうと思っていました。…

5月公演あれこれ

人形。自分、結構つまんないことも観てます。人間のお芝居と違って「どれだけ人形を繊細に遣ってるか」「どれだけ遣う人の存在を消しているか」の方が「どれだけ人形遣いが目立つか」より気になるもので。人形遣いさんが気張って似合う人もいるので(先代の勘…

さてさて

5月公演も間近なので4月公演の感想を書かないといけないのですが、何かと忙しくて書いているヒマがありません。ちょっとだけ。 録画で観たときは「可哀想」って思ったのに、ナマで観て「違う!雛鳥は幸せだったんだ!」と衝撃を受けました。文楽の登場人物…

と言うほどのものでなく

「千葉(昼)」「府中(昼夜)」「横浜(昼)」と巡業を観てまいりました。昼に偏っていますが、それは仕方ないってことで(笑)。印象に残ったのは前にも書いたように「十種香の段」の空気感が違ったこと。それと、八重垣姫ががんばりすぎていなくて周りとの調和感…

全国人形芝居サミット&フェスティバル(4日)

3日の感想は8日の日記に加筆しておきました。 この写真は⇒観ないで死んだら損するところだったと真剣に思った淡路人形座の「狐七化け(ななばけ)」です。プログラムの写真を写メさせていただきました。私と感覚が似てると思う人は(稀有?)是非ご覧になって…

全国人形芝居サミット&フェスティバル(3日)

もともとがギリギリ滑り込み到着予定だったのに羽田空港発便が強風のために離陸が遅れ、最初の「式三番叟」を初めから観れませんでした。大好きなのに>三番叟。レンタカーを借りて直行すれば間に合ったなぁ・・・ 「式三番叟」@勝浦座:人形は二人遣いです…

3部

風邪をひいたのか(インフルエンザじゃないです^^;)昨日から体調をくずして今日も丸一日眠っていました。一昨日、大阪の初日以来2度目の「天変」観劇をしたのですが、なかなか感想が書けません。 今回は前にも観て覚悟していましたし、清治さんのおっしゃる…

鑑賞教室(前半午前・午後)

後半も後半(←わかりにくい!)になっているのに感想を書いていなくて、せめて終わるまでには書かないと、と思っていますが、歌舞伎座とか東宝とか行く予定もあって・・・^^;というわけで午前・午後の区別なしで書いちゃいます。 まず、こういうことを書くと…

弘知法印御伝記@柏崎

まずは「越後猿八座のみなさま 旗揚げ公演大成功おめでとうございます」 大阪滞在中にポメラに思い出せたことを書いてきたのですが、あらすじや「びっくりな部分」を書いてしまうとネタバレになってしまいそうなので触れて大丈夫そうな部分だけ書いておきま…

忘れないうちにひとつ

今日(昨日)は「動いていない人形」を観てきました。先陣問答の”他の人の話を聞いている千鳥”の左と足がお見事でした。足も、足遣いもぜ〜んぜん動かない。左手も膝にきちんと乗ったままきれいに正座して動かず、しかもちゃんと生きている!頭巾さんたち、動…

2回目

昨日2部、本日1部を途中まで観ました。今日は野暮用がありまして「住さんの盆が回ったら抜けよう」と思っていたのですが(後ろの方で端から2席目でしたので)抜け損ね、ダッシュで帰ってまいりました。帰りの電車で「上方芸能」を読むつもりが、ドラクエ4…

5月公演1部(11日)

なんだかすっかり遅くなってしまいました。遊んでばかりと言うわけでもないんですが(苦笑)。 「寿式三番叟」:大阪の方がよかったような気が・・・なんか舞台が狭いですよね〜、床の人数が増えてるはずなのにその分の迫力が増したようには感じませんでした。…

5月公演2部(10日)

2部は若い方が多いせいか、全員が一枚板になって舞台を作っているという感じがしました。だから最初から最後まで同じテンションで波に乗せてくれて気持ちよく進んだ気がします。床(大夫さん&三味線さん)も人形さんものびのびしてたような・・・ 梶原館の段…

4月文楽公演「義経千本桜」(夜の部)

初日に観てから随分空いてしまいました。もう折り返しで今日から後半戦だというのに。 3年前の5月に初めて観た本公演はみどりで2部に千本桜の「椎の木〜すしや」があって、若葉の内侍が清之助さんでした。1部のひらかな盛衰記「松右衛門内」にもご出演だ…

4月文楽公演「義経千本桜」(昼の部)

一昨日の日記に書いたものをこちらに持ってきました。「義経千本桜」は1回しか観ていませんので、第一印象だけです。通し狂言って言っても最初からじゃないんですね←観る前に気づかないぢぶん(汗)。いきなりここからですかっ!って思いましたが、後はだだだ…

4月文楽公演「寿式三番叟」

少し前に「神聖なものというよりエンタメ」と書いたのですが、撤回します。とても厳かでした。翁・千歳はとても雰囲気が出ていましたし、三番叟も後半はいつもの二人三番叟なんですが、重みがありました。25年の重み、いや、40年近い重み。切磋琢磨して…

地方巡業

千秋楽が済んだら書こうと思っていたご贔屓の「更科姫」と「梅川」。今日はどうだったでしょうね。本公演なら複数回観にいけるのですが、更科姫は2回、梅川は1回で正直、感想を書けるほど観ていません(汗)。 「紅葉狩」は本公演でも拝見していますが(たし…

女流義太夫の新たな世界

NHKのニュースで取り上げていましたね。今回が初めてみたいな扱いでしたが、去年もありましたよう!時間がなくて申し訳ないと思いつつ最後の「奥庭」は失礼してしまいましたが、ニュースを観て「うちがもっと近かったら最後まで観れたのに」って悔しかっ…

2月公演2部「敵討襤褸錦」

わかりやすくてとても面白く拝見しました。予定より観劇を1回増やしてしまいました。わかりやすいのは大夫さんの語りの上手さが何より大きいと思いますが、人形もとてもよかったです。こういうバランスのいい舞台が好きです。 実は、録画で観た次郎右衛門は…

2月公演3部「女殺油地獄」

少し前に「1部・2部・3部のつながり」云々を書いたのですが、2部と3部は「お節句」つながりでもありました。2部は重陽の節句、3部は端午の節句。結構いろいろなことを考えて番組が組まれているのだなあって思いました。 徳庵堤の段:以前、録画で観た…

2月文楽公演

次に観るまで間が空いてしまうので、ちょっとだけ書いておきます。(全部じゃありません) 1部・岩木忠太兵衛屋敷の段:最初に録画で観たのが、市之進が師匠で虎次郎が清十郎さんという組み合わせでした。「数寄屋」を観て呆然とした後にこの段を観て余計に「…

初春公演

今回は1回しか観なかったので「第一印象」だけです。痛感したのは入れ替えのあとでよかったな、ということですね。前の日から大阪入りしてぐっすり眠って体力も気力も十分なときに重たいものを先に観られたので気分的に楽でしたし集中できました。逆だった…

女流義太夫演奏会

よかったです〜。一力もよかったですが、掛け合いなのでエンタメ色が濃くて、土佐子さんの「勘平腹切」の方がじっくり聴けた気がします。義太夫協会に入会すると2000円で聴けるんですね〜。知りませんでした。 空席が多くてもったいなかったなあ・・・ 義太…

義賢館の段

ここだけ観てきました。続きは明後日、楽に観てまいりますので、感想は全部観てから書きたいと思います。 とりあえずすっごく面白いので明日・明後日おヒマな方は是非ともご覧になってください。人形もいいですが、床もとってもいいです!

寺入り・寺子屋

後方席なので首の表情や細かい動きは観れませんでした。宝塚ならオペラを持って行くのですが、バッグが違うので入っていませんでした(笑)。 寺入り:千代さん、普通のお母さんっぽくていいです。位が高くて戸浪を圧倒する、という感じがないのが好感度大。後…

ちょっとだけ

同じことを何度も書いても仕方ないので、今日一番強く感じたことを。 葉末とお駒の配役は後半の方がいいです。前半の配役はお2人とも持ち味が生かされていませんでした。勘弥さんのお駒は録画で観た簑助さんのお駒を彷彿とさせるもので「あ、これだ!」と。…