松右衛門 実は 樋口

床が、午後の方が攻めの語りというか濃かったので人形も違って来たのかもしれませんが(私が観たのは最後の方でしたので)、松右衛門もかなり違って見えました。
強いて簡単な表現にすれば、玉也さんのは「松右衛門寄り」で玉志さんのは「樋口寄り」だったかと。玉志さんの人形は二枚目で玉也さんの人形は男前。個人的にはこの役は玉志さんのスッキリした人形が好きかも。



全体の印象としては午前は「現代劇」で午後は「古典的な人形浄瑠璃」だったと思います。


こんな風に二つの公演を観て感想を書くと「褒める=比較したものを貶す」という風に受け取られがちなのですが、そうではないと明記しておきます。もし単体で観ていたとしても「勘緑さんの権四郎は秀逸だった」と書いたと思います。勘緑さんの権四郎は最初からキャラがたっていて懐が深く、松右衛門内の空気をぴしっと作っていたと感じた人は多いのではないでしょうか。
勘緑さんの権四郎&一輔さんのおよしは、存在感はあるのに松右衛門やお筆の邪魔をしていない。若手会の鱶七、お三輪もとてもよかったという声が多くて、観に行けなかったのが残念でなりません。


人形のことはこの辺で(また書くかも)。床のことも書いておかないとネ。