全国人形芝居サミット&フェスティバル(3日)

もともとがギリギリ滑り込み到着予定だったのに羽田空港発便が強風のために離陸が遅れ、最初の「式三番叟」を初めから観れませんでした。大好きなのに>三番叟。レンタカーを借りて直行すれば間に合ったなぁ・・・

  • 「式三番叟」@勝浦座:人形は二人遣いです。文楽でも朝一番の幕開けに二人遣いで人形が出てきますよね、あれと同じ。この主遣い、三人遣いと同様に右手は右手なのですが左手で首と左手を〜〜胴串と左手とを交差させるように〜〜持ちます。これは「式三番叟」ですから「翁」と同じように一番叟(千歳)・ニ番叟(翁)・三番叟の三体が順に舞います(のだと思います)。三番叟の方しかちゃんと観れなかったのですが、とてもお上手で足もきれいでした。
  • 「壺坂観音霊験記」(山の段・谷底の段)@勝浦高校民芸部:阿波の人形は頭巾を被っていますが、中高生は全員出遣いです。そして制服姿、清々しい!
  • 「傾城恋飛脚」(新口村の段)@さっぽろ人形浄瑠璃あしり座:札幌?ってまず驚きました。1995年から毎年1回の定期公演を催されているそうです。指導にあたられているのは八王子車人形の方だとか。梅川がとてもきれでした。非常にレベルの高い座で、こういうものを拝見すると「古い新しい」「長い短い」「地元よそ者」みたいに区別(ある意味差別?)することがいかに意味のないことだろうかと痛感します。よそ者でも、今からでも、できることはあるんじゃないか?>じぶん。
  • 「絵本太功記」(尼崎の段)@南あわじ市立三原中学校『郷土部』・南淡(なんだん)中学校『郷土芸能部』:最初に両校の三味線さんが並んで演奏し、そのあと人形浄瑠璃の上演となりました。ホントにもう、びっくりの親玉ですよ。中学生、それもほとんどが女生徒なのに大きな人形を大きく高くしっかり遣います。生徒さんたちの素晴らしいのはその姿勢のよさ。ぴしっと背筋を伸ばしてぐっと手を伸ばし、なんともカッコいい!光秀の見事な六方は勘緑さんに褒められていました。
  • 三番叟まわしと「箱廻し」@阿波木偶箱廻しを復活する会:この方の三番叟、国立劇場のロビーで拝見して面白い!と感激したことがあるのですが、”お正月に家々を門付けする”という風に家の門や神棚を舞台に作っての「箱廻し」上演で、さらに面白く拝見しました。担いでくる天秤棒に提げた2つの箱の中には「千歳・翁・三番叟・えびす」の4体の人形(一人遣い)が入っています。これを観ていてふと思いだしたのが、先日映画で拝見した琵琶語りの山鹿さんの「かまど祓」でした。瞽女さんも何か行事があると呼ばれて唄ったりしていたのですよね。そんな”食べていくため”でもあった芸は人の暮らしが豊かになると消えていってしまいます。それはとてももったいないことだと思います。そういう芸こそ神さまに近い気もします。