地方巡業

千秋楽が済んだら書こうと思っていたご贔屓の「更科姫」と「梅川」。今日はどうだったでしょうね。本公演なら複数回観にいけるのですが、更科姫は2回、梅川は1回で正直、感想を書けるほど観ていません(汗)。


「紅葉狩」は本公演でも拝見していますが(たしかその時も左は一輔さんでした)、この作品は前半の赤姫と後半の鬼女をどれだけ遣い分けるかで決まると思います。前半の赤姫は清十郎さん向きの役だと思います。秋に拝見したときは動きが硬くて”清十郎の姫”らしい可憐さも今ひとつで「襲名披露公演にはさまれたこの時期の巡業は体力的にも精神的にも厳しいのだろうな」と思う仕上がりでしたが(今だから書けますが)、今回は「まかせなさい」っていう感じでしたね(笑)。扇を落とすまいとして気合を入れても人形が崩れるということはないのですが、え〜と、ご贔屓のお顔が、あ〜・・・(以下自粛)。後半の鬼女も楽しそうにお遣いでしたが、最後の木の枝の位置がおかしくないですかぁ?あれでは鬼女の顔が隠れちゃう。


「傾城恋飛脚」は忠兵衛で拝見したときに「ほんまにええなあ」って思ったので相手の梅川だとどんな感じなのかしら?ってとても楽しみにしつつ、清十郎さんの遣われる女性って”美しい”けど”硬質”な印象が強くて梅川はどうなのかな?って思ってもいました。というのは「元は遊女」というイメージでいたからなのですが、清十郎さんの梅川を観ているうちに「これから一緒に死のうという男とその父親の前で”元遊女”である必要なんかないのでは」と思えてきました。清十郎さんの梅川は雪の似合う女、足袋には雪と泥が染み込んでいそうな女でした。だから私はこの人の人形が好きなんだ、と思っています。