5月公演2部(10日)

2部は若い方が多いせいか、全員が一枚板になって舞台を作っているという感じがしました。だから最初から最後まで同じテンションで波に乗せてくれて気持ちよく進んだ気がします。床(大夫さん&三味線さん)も人形さんものびのびしてたような・・・

  • 梶原館の段:まずは「松香さん、おかえりなさい!」お顔を拝見してほっとしました。景高は大団七、全体に大きくて文司さんもとても大きくお遣いです。図体がデカいのに病はちまきなんかしててちょっと可笑しいです。この景高との対比を出すためなんでしょうけど、景季が”戦場から帰ってきた”はずなのになぜか頭に花を咲かせた(笑)色男なんですよね〜。正直「え〜っ!?なんか変」って思いました。
  • 先陣問答の段:ここは観る前からとても楽しみにしていました。仕方に語るのって好きなんですよね。前段座っていた席は観にくいので盆回しのときに急きょ夫と代わってもらいました。目の前で不審な動きをして呂勢さん&宗助さんに失礼をいたしましたm(_)m床は期待通り。人形もそれぞれ生き生きとそれぞれの持ち味を出してよかったですが、特に文を読んで延寿がショックを受けるところ、じーんときました。
  • 源太勘当の段:ここの途中で景季が着替えます。それまではナヨナヨしてて「ええ?そんなにいい男かなあ」って思えるのですが(いえ、私だけかも^^;)急に色気を増して別人のよう。しかも強くてデカい景高を踏ん付けて投げ飛ばしちゃいます。ただ、私としては後の方まで観ても景季って「どこがいいのかわからない」って思うので、千鳥はどこに惚れたのか知りたいです。顔?
  • 辻法印の段:めちゃめちゃ可笑しいです。声たてて笑ってました。法印は勘緑さんですし思いきり期待しつつ観たわけですが、期待通り面白い!途中で「インチキやん」って思うお筆さん、ものすごく適当なことを言ってる夫を煽るお福ちゃん、出だしからいい感じです。しかし、何と言っても後半出てくる百姓ツメさんたちがツボ!(爆)。外に出てくる左の2人なんて漫才ですよ、マジ。左から2人目(大弁慶に小弁慶、縦弁慶に横弁慶、なんてやるツメさん)はどなたが遣っていらしたのでしょう?上手い〜!英さんはチャリ場がお得意ですね。
  • 神崎揚屋の段:「この段の嶋さんの熱演だけで料金を払う価値がある」と言ったのは夫。いつも眠っていることも多い人なのですが、今回は眠っていなかったので聞いてみたら「源太勘当」でちょっと一瞬意識がとんだだけで眠らなかったんだそうです。面白かった、と。どこがどう、と表現できないのですが、私も完全に話に引き込まれてしまいました。ぐいぐい引っ張られて・・・あんな風に強い浄瑠璃だと人形も乗せやすいんじゃないでしょうか。出てくる人形は少ないですが・・・梅ケ枝@勘十郎さん、延寿@玉也さん、景季@和生さん、お筆@清十郎さん、亭主@幸助さん、仲居@簑次さん・・・とても充実しています。揚屋後半の梅ケ枝のくどきはかなり激しい動きなのですが、梅ケ枝を遣う勘十郎さんと嶋さん&富助さんの「気」のぶつかり合いが目に見えるみたいで圧倒されました。これぞ三業一体の芸能の醍醐味!とにかく、できるだけ多くの人に味わってほしいです。
  • 奥座敷の段:なんだかんだ言って贔屓の人形が大事(苦笑)、前半はお筆と延寿が火花を散らす場面を期待していきました。ばっちり期待通り(^-^)v最後の「箙の梅」のくだりもうっとり。「特になくてもいい段」だと伺いましたが、ここがあるかないかでお客さんの安心度がずいぶん違うと思います。私は「ハッピーエンド」「八方丸く収まる」のが好きな人間なので非常に気持ちよかったです。心から拍手してしまいました。次に行くのが楽しみです。


2部は次は19日なんです。揚屋だけでももっと早く聴きに行きたいなあ・・・