作品紹介
五条橋の段 京の五条の橋で博労の六郎左衛門と駕籠に乗った海老名なあみだぶつが行き会い、鰯売りの家督を息子に譲ったなあみだぶつは六郎左衛門に息子の仕事ぶりを訪ねますが、答えようがない様子で去っていきます。 そこへやってきた息子の猿源氏は何か様…
プログラムの中に「伊達娘恋緋鹿子」の丸本通りに筋を追う子供向けの絵本のことが書いてあります。13頁の本で、最後の4頁が「八百屋内」と「火の見櫓」になっています。絵本は「吉三郎がめでたく帰国、めでたしめでたし」で終わっているとのこと。面白い…
「ひらかな盛衰記」を以前視聴室で観たときに書いたもの(過去の日記)をコピペして少し直してみました。私が「ありえない」と思ったのは生活のために傾城に身を売ったはずなのに景季以外に帯をとかず、鎧を質に入れてそのお金で景季の座敷を持っていた〜〜つ…
この作品は上中下の三段からなり、中の巻から『春藤屋敷出立』下の巻から『郡山八幡』『大安寺堤』の上演になります。 春藤屋敷出立の段:舞台中央の井戸を境に垣根を立てて下手に春藤家、上手に須藤家が配置されている印象的な舞台です。春藤助太夫の三男新…
実際にあった事件を元にしている〜処刑のときに黄八丈を着ていたとか〜そうですが、この作品は処刑直前に助かるというハッピーエンド。いわば水戸黄門的に「必ずいい終わり方をする」という安心感とともに観ることができる作品です。ただ、それだけにそれぞ…
「能とりもの」になるのでしょうか、向って左奥に幕があって背部には老松を描いた鏡板というように、舞台は能舞台の作りになっています。狂言では「大名狂言」に分類されます。私も生では一度しか観たことがありません。そうそうはかからない曲だからです。…
今回は四段目の「浪花入江の段」から始まります。イヤホンガイドを借りるとそれまでの経緯がわかりますので、借りてみるのもテかと思います。設定として知っておくとわかりやすいことをいくつか箇条書きしておきます。 正清と一緒にでっかい船に乗っているの…
今回は初段(「鶴が岡仮屋の段」「吉田社頭の段」「八幡太郎の段」)、二段目(「外が浜の段」「善知鳥文治住家の段」)の後、三段目と四段目の上演になります。そこまでに出てくる人物や背景について少し紹介しましょう。 初段の”鶴が岡”は皆さんもご存じのとお…
[十種香の段]ところは謙信の館。中央には思案顔の簑作(実は勝頼)、上手には「亡き許婚・勝頼」の絵像の前で回向する八重垣姫、そして下手には盲勝頼を偲んで念仏を手向ける濡衣。濡衣は亡き恋人に似た簑作にみとれ、また、ふと隣の間を覗き見た八重垣姫も勝…
紹介って書くのもおこがましいような、あまりにも有名なお話。とは言え私は歌舞伎の「勧進帳」を観たことはありません。でも能「安宅」とほとんど同じです。能「安宅」の中で、安宅の新関で富樫に「本当の山伏なら勧進帳を読んでみろ」と言われて弁慶が空で…
「玉水淵」は「春日村」からいきなり始まるとわけがわからなくなるから付けて上演されるのでしょうが「なんだこれ?」という思いがぬぐえないまま「春日村」に入ってしまいました。 「春日村」の見どころはご覧になればわかります。この段だけの方が感動でき…
昨日、昭和54年2月の「ひらかな盛衰記」・4段目と、平成15年の勘十郎さんの襲名披露公演「絵本太功記」の夕顔棚&尼が崎を観てきました。「ひらかな盛衰記」4段目の簡単なあらすじと感想を書いておきます(下の方にあり)。 その前に「なぜ2段目の最初…
東京新聞の記事を紹介しておきます。この段は嶋さんでなくては、という段だそうなのですが、とてもたいへんな語りなので今回が最後になるでしょうと書いてあります。これは心して聴いておかねばなりませんね。 ☆中将姫☆ 中将姫は右大臣豊成卿の娘で、継母で…
未見の作品は視聴室で予習するようにしていますが、これは東京での上演がないようで観ることがかないません。自分の言葉で書けませんので、前に上演されたときの筋書本をほぼ丸写しで書こうと思います。・・・茂助って悩む役なんですね〜、ご贔屓が得意そう…
『生写朝顔話』は大序からできるかぎり書いていくつもりでいましたがタイムリミットが来てしまいましたので、今回上演される「明石浦船別れ」「宿屋」「大井川」の三段にのみしぼって書きたいと思います。前にも書いたのですが深雪と駒沢次郎左衛門出会うの…
今回は「住吉鳥居前」「内本町道具屋」「道行妹背の走書」「釣船三婦内」「長町裏」「田島町団七内」の6段の上演になります。この話は別にあらすじを前もって知らなくても面白いのですが、簡単に書いておきます。 「住吉鳥居前」までのおはなし:堺の魚売り…
この話、好きじゃないので書くのに四苦八苦しましたがなんとか初日に間に合いました!でもやっぱりひどい!むごい!さきほど観た録画は小さな女の子を遣っているのがご贔屓でした。昭和55年ですから・・・若い!(笑) *「古市油屋の段」 徳島藩の元家臣で…
このブログは「清之助さん応援ブログ」ですので、これは書いておかないとあかんですわな。景事の床は大抵そうですが、非常に流れがきれいで写していてうっとりします。救いのない切ない話なんですが、甘くて色っぽくて。 「契情倭荘子」 世の中は、夢か現か…
日にちが空いてしまったので「入墨の段」と別立てにしました。 入墨の段のところにも書きましたが「絹川村の段」は以前は「局使者の段」「米洗ひの段」「三浦之助母別れの段」「高綱物語の段」の4つに分かれていたようです。前2段は簡単な話なのですが、後…
昔の公演記録を見ると「絹川村の段」っていうのはないんですね。「局使者の段」「米洗ひの段」「三浦之助母別れの段」「高綱物語の段」となっています。床は『絹川村』という風に一くくりにすると「中」「次」「切×2」というふうになるようです。以前のよう…
10月地方公演の「義経千本桜・道行初音旅」のあとに11月公演の「近江源氏先陣館」とか「源平布引滝」のことをつらつら書きながら「ああ、『生写朝顔話』に取りかからねば」と思ってはみたものの、よく考えたら順番から言って夏公演の紹介をしないとねえ。 「…
*「盛綱陣屋」:前半、切腹を迫る微妙と逃げる小四郎。今は死ねないというので逃げている小四郎の気持ちがわからない微妙は「臆病者」だと言って奥へ追っていきます。(この前は後ほど加筆いたします) 長刀を抱えて乗り込む篝火と、それに気付き、そうはさせ…
・登場人物〜静御前・狐忠信 頼朝に追われる身となった義経主従は九州目指して旅に出ることになりました。愛する静を都に残して家来の佐藤忠信に託し、形見として「初音」という名の鼓を置いて旅立っていったのですが、海上で嵐にあって吉野にいると聞いた静…
床本書いてみました。ノリがよくて面白いんですが、なんかこれ、結局退治してないんちゃう?(笑) 巌峨々たる荒血山松柏茂りてかくかくたる峯に 星霜古廟のひさし、甍をからむ蔦かづら物すごく も又すさまじき 麓の方より大勢が人身御供の輿舁きすゑ 「長居は…