鎌倉三代記(絹川村の段)

日にちが空いてしまったので「入墨の段」と別立てにしました。
入墨の段のところにも書きましたが「絹川村の段」は以前は「局使者の段」「米洗ひの段」「三浦之助母別れの段」「高綱物語の段」の4つに分かれていたようです。前2段は簡単な話なのですが、後2段は正直なところなんじゃらよくわかりません^^;これ、床本を読んでいないのです。スミマセン。

  • 時姫は献身的に絹川村に閑居する三浦之助の母の看病をしていますが、そこへ鎌倉から迎えの使者として2人の局が訪ねてきます。母は嫁を帰すことは出来ないと断り、時姫も帰る気はないと拒みます。
  • 時姫は夕飯の支度をしようとしますが、慣れないことでどうも上手には出来ません。見かねて近所のおらちが井戸水の汲み上げ方や米の研ぎ方を教えます。このとき片肌脱ぐのが有名らしいです。
  • 局たちは三浦之助の母を殺してでも時姫を連れ戻そうとして忍び込もうとしますが、そこへ藤三郎が現れ、自分は時政からの正式な使者だから自分に任せるようにと話して局を帰し、家の中へ入って行きます。
  • 戦で討ち死にを覚悟した三浦之助が、ひと目母の顔を見ようと戻ってきますが、母は戦のさなかにうちに帰ってくるとは言って会おうとしません。仕方なく戦場に帰ろうとする三浦之助を時姫は押しとどめます。最初は振り切って出て行こうとした三浦之助ですが、母の病気が重いことを知って一晩だけとどまることにしました。
  • 夜になって、井戸から一人の男が現れます。時政の家臣、富田六郎です。この井戸は抜け道になっていて、藤三郎を監視しに来たのでした。藤三の女房おくるも一緒に来て六郎を裏口へと案内します。・・・この抜け穴は「真田の抜け穴」として実際に史跡として残っているそうです。(↑上の日記をご参照ください)
  • 時政の使者と名乗り、時姫を連れ戻そうとする藤三郎。あまりのしつこさに時姫は刀を抜いて藤三郎に斬り付けますが、藤三郎は井戸へ逃げ込みます。時政には反対され、想う三浦之助にはすげなく扱われ、失意の時姫は自害しようとしますが、三浦之助はそれを止めて父である時政を討てば夫婦となろうと申し出ます。苦悩する時姫ですが、三浦之助への想いは断ち切れず、父を討つことを決意するのでした。・・・「妹背山」の求馬もそうですけど、こういう条件を出す男ってどうなんでしょうね〜、なんか納得できないんですが、ワタシ。
  • このやりとりを立ち聞きした富田六郎が時政に注進に戻ろうとすると、井戸の中から突き出した鑓に突かれて倒れます。井戸の中から出てきたのは藤三郎、実は本物の佐々木高綱でありました。・・・実は高綱は三浦之助と諮っていました。三浦之助には時姫に時政を討つようにすすめさせ、既に討ち死にを覚悟した三浦之助は高綱が討ち取ってその首で時政に近づくように、と何重にも計画を立てていたのですね。
  • 時姫が縁先で鑓を使っていると、三浦之助の母はその鑓をつかんで自害します。息子のために自分の父親を討つ覚悟をした時姫の立場を思い、時姫の手にかかって死ぬことを選んだのでした。
  • 母の死を悲しみつつも三浦之助は戦場へと戻っていき、藤三郎@高綱は時姫とともに時政のもとへ向かうのでした。


と言うわけで、次回は『伊勢音頭恋寝刃』「古市油屋」「奥庭十人斬」に挑戦します。その後『生写朝顔話』「明石船別れ」「宿屋」「大井川」『夏祭浪花鑑』といく予定です。