「伊勢音頭恋寝刃」古市油屋・奥庭十人斬

この話、好きじゃないので書くのに四苦八苦しましたがなんとか初日に間に合いました!でもやっぱりひどい!むごい!さきほど観た録画は小さな女の子を遣っているのがご贔屓でした。昭和55年ですから・・・若い!(笑)


*「古市油屋の段」

  • 徳島藩の元家臣である福岡貢は、主の万次郎が紛失した名刀「青江下坂」を求めて伊勢に来て探し出すことに成功しますが、折り紙(刀の鑑定書)が見つかりません。その折り紙を持っているのが徳島岩次らしいとわかり、油屋のお紺に岩次の様子を探ってほしいと頼みます。
  • 貢とお紺は濃い馴染みの仲なのですが、油屋の仲居の万野はお紺に岩次に乗り換えるようにと盛んに勧めます。貢には許婚もあり、お紺も万野の言うことを聞いて岩次と馴染みになり、貢のためになんとか折り紙を取り返そうと決意します。
  • さて、貢はお紺に会いに今夜も油屋へやってきます。そこへ出てきたのは料理人の喜助。喜助は自分は元、貢の家の家来であったことを明かして遊所通いもほどほどにとたしなめるのですが、貢はこうして毎夜来るのは折り紙を取り返すためだと言って喜助に「青江下坂」を預けて奥に入ります。
  • 岩次は「青江下坂」を手に入れようと、その刀身と自分の刀の刀身とをすり替えて元に戻すのですが、それを喜助が見ていました。
  • お紺と岩次が固めの杯を交わそうとしていると暖簾の向こうから貢が「その杯待った」と飛び込んできます。ところがお紺はすげなく、万野も「女郎に金の無心をしたろう」と責め、女郎のお鹿はでっちあげた証書を持ち出してありもしない話で貢を責めます。お紺には愛想尽かしをされて皆には責められ笑われて、怒りに震える貢のところへ喜助が現れて刀を渡して帰るように勧めるのでした。このとき渡した刀は刀身は「青江下坂」で鞘は岩次のものなのですが、怒りに震える貢は鞘が違うことに気付きません。
  • 万野に散々にいたぶられて貢は怒りつつも一旦は帰っていき、お紺は機嫌のいい岩次をうまく言いくるめて折り紙を手に入れます。そこでやっと岩次は貢が自分の刀を持って帰ったことに気付いて慌てます。そこへ喜助が現れ、貢のあとを追うことになるのですが、万野は喜助が元々は貢の家の家来だったことをはたと思い出し、喜助のあとを今度は万野が追っていくのでした。

*奥庭十人斬の段

  • 貢は途中で刀を間違えたことに気付いて引き返してきます。戻った万野と鉢合わせて刀を取り替えようとしますが、どちらが先に渡すかともみ合っているうちに鞘が割れて万野の肩先を斬ってしまうのでした。騒ぎ立てられて仕方なく万野にとどめを刺したところへ岩次が北六とお鹿を連れて出て来て、騒ぐお鹿と北六を斬り捨てる間に岩次は奥へと逃げ込んでしまいます。
  • (場面は油屋の中になります)貢は岩次を追って油屋の中を進みますが、刀を持って血を浴びた貢を見て騒ぐ女郎や客を次々と斬り殺して(小さな女の子まで!)辺りは修羅場と化します。このとき、斬り進むごとに貢の衣裳の血のりが増えていくさまはなんとも身の毛がよだつようです。
  • (場面は暗い奥庭になります)貢は奥庭へと進んでいきますが岩次を見失ってしまいます。人違いでまた灯篭の影に隠れていた人を斬ったところへお紺が走り出て、そのお紺も斬ろうとする貢を押しとどめて折り紙を渡し、すげなくしたのは本心ではなかったと告げるのでした。
  • 腹を斬ろうとする貢を喜助が押しとどめ、その刀こそ「青江下坂」であることを告げ、折り紙も揃った今、ここは自分にまかせて一刻も早く万次郎さまのもとへと勧めます。出で発とうとする貢の前に岩次が現れますが討ち果たし、折り紙と刀を手に万次郎のもとへと急ぐのでした。