『夏祭浪花鑑』

DancingDoll2007-09-06

今回は「住吉鳥居前」「内本町道具屋」「道行妹背の走書」「釣船三婦内」「長町裏」「田島町団七内」の6段の上演になります。この話は別にあらすじを前もって知らなくても面白いのですが、簡単に書いておきます。

  • 住吉鳥居前」までのおはなし:堺の魚売りの団七は大鳥佐賀右衛門の家来と喧嘩したために牢に入れられますが、妻のお梶が以前に奉公していた浜田家の家臣玉島兵太夫に赦免を願いいれて牢から出られることになりました。また、その兵太夫の息子磯之丞は傾城琴浦と深い仲になって勘当され、お梶を頼ってきます。
  • 住吉鳥居前の段」:牢から出た団七、それを迎えに出るお梶、釣船三婦、お梶を頼ってくる磯之丞、琴浦、一寸徳兵衛、さまざまな人が入れ替わり立ち替わり登場し、住吉さんの鳥居近く、色鮮やかな暖簾のかかった床屋の前で話が展開していきます。籠屋にからまれた磯之丞を助ける三婦、争いの後に互いの袖を交換しあう団七と徳兵衛、これぞ男!の見せ場が続きますが、2人の争いを身体をはって止めるお梶もカッコいいです。
  • 「内本町道具屋の段」:共に堺にいられなくなった団七と磯之丞、団七は「九郎兵衛」と名を変えて魚売りをし、磯之丞は「清七」と名を変えて古道具屋に奉公しています。そして文楽の「どーしようもない色男」の常道で、磯之丞は店の娘お中と恋仲になっているんですよね〜。お中に横恋慕する番頭の伝八はお梶の父(団七からみたら舅ですね)義平次や仲買人の弥市と組んで磯之丞を陥れ、お店の金を騙しとります。たまたま居合わせた団七は悪事に気づいたものの相手が舅、黙って磯之丞を連れ帰るのでした。しかしその夜、どうにも我慢ならないと店に戻った磯の丞は弥市を殺してしまい、お中と手を取り合って逃げることになります。
  • 「道行妹背の走書」:死ぬしかないと思った磯之丞(短絡的すぎない?)はお中と夜道を行き、書置きを書いて死のうとしますが、三婦が追いついて2人を止めます。そこへ伝八も追い付きますがお中が言いくるめて首を吊る真似をさせて本当に首を吊らせてしまいます。(←これってありえないと思うんですけど、ここまでするほど惚れていたお中をこの後また捨てて琴浦の元に帰る磯之丞ってサイテーの男ですよね)先刻書いた書置きを伝八のものにして弥市殺しをなすりつけて3人は去っていくのでした。ひでー話!
  • 「釣船三婦内の段」:さて、いよいよあのお辰の登場です・・・今日は高津夏祭の宵宮。三婦の家に匿われている磯之丞の浮気を責める琴浦(そりゃそうだ)。弥市殺しを伝八になすりつけたものの、もしも磯之丞に詮議の手が及んではいけないというので三婦や団七はどこへ匿ったらいいのか悩んでいます。そこへ徳兵衛の妻お辰が挨拶にやってきました。摂津に帰ることを許された徳兵衛より一足先に国に帰ると言うお辰に、三婦の妻おつぎは磯之丞を連れ帰ってほしいと頼み、お辰も喜んで引き受けると言うのですが、三婦は渋い顔。若くて美しいお辰に磯之丞をあずけて何かあったら困る(そりゃ心配もしますよね〜)という三婦の言葉に、一旦引き受けたことを翻すわけにはいかぬとお辰は火鉢の鉄球を顔に押し当てて自ら火傷を負い「これでも色気があるか」と迫るのでした。このお辰の鉄火ぶりに、三婦は磯之丞を預けることにします。この後、琴浦をさらいにきた駕籠かきをのした三婦は佐賀右衛門をやっつけると息巻いて出て行くのですが、その留守に義平次が現れて団七の代わりに琴浦を迎えに来たと嘘をついて連れ去ってしまいます。やがて三婦は団七、徳兵衛を連れて帰ってきますが、舅が琴浦を連れていったことに驚いた団七は慌てて家を飛び出して義平次を追うのでした。
  • 「長町裏の段」:団七が義平次の駕籠に追いつき、お金を渡すので琴浦を返してほしいと頼みます。喜んで琴浦を放す義平次でしたが、団七はもとよりお金など持ってはいません。騙されたと怒りる義平次に叩かれても踏まれても、舅は親同然だとただひたるらに耐える団七でしたが、義平次が抜いた団七の刀を取り合いもめるうちに義平次の耳を斬りおとしてしまいます。団七は「人殺し」と大声をあげる義平次を仕方なく手にかけて池に投げ捨て、祭の賑わいの中を去っていくのでした。
  • 「田島町団七内の段」:とうとう書けないままでしたのでめちゃ簡単に…義平次殺しの詮索が続く中、団七はうちの中にこもってふて寝状態。そこへ玉島に帰る徳兵衛が一緒に行かないかと誘いに来ます。断る団七に徳兵衛は団七が長町裏で落とした雪駄を見せてさらに誘いますが団七はつっぱねるのでした。徳兵衛と三婦、お梶は謀って団七がお梶を離縁するようにもっていき、これでお梶母子は他人だから団七が逃げても大丈夫だと諭すと、やっと団七は逃げる気になります。ところがそこへ追っ手がかかり、2人は屋根の上で大立ち回りを見せて追っ手を退け、玉島を目指して行くのでした。