1部

さて。1部は2回目なのですが、1回目は諸般の事情で口上からの観劇でした。それで気がつかなかったんですけど、どうして大阪では「矢橋の段」がなかったんですかい?ここ、あった方が小まんの存在がくっきりとわかりやすくないですかい?でもこれが入ったせいで、もうひとつが「昼なのにお客さん帰っちゃう」安直な演目だというのもなんだかなあ。偉い人が番組を考えて作ってるんでしょうけど、ついて行けないものがあります。

すごく簡単に感想を書いておきます。

  • 矢橋の段:浄瑠璃では小まんは逆手に刀を持ってと言ってますが逆手じゃないですね。逆手でちゃんばらは難しいのかな。ツメちゃん、もっともっと派手でいいと思う!すっ飛び方が今ひとつな気がする!塩見忠太が手下に「あっちゃこっちゃ手を入れて探せ」っていうのがあって、品のない自分はつい鼻でクッと笑ってしまったのでした。
  • 竹生島遊覧の段:えーと、記憶力がなくて悲しいのですが、大阪でも船上にツメちゃん2人いましたっけ?2人で下手で流れてく腕を見てるようなシーンありましたっけ?大阪のツメちゃんは武士っぽかったんですが今日のツメズはちょっと町人っぽかったです。段切に左衛門のでっかい目が早い段階から寄りっぱなしでちょっと笑ってしまいました。ごめんなんし。
  • 糸つむぎの段:兄弟床は御簾の中。仁惣太と小よしの会話はやっぱり何度聴いても「笑いどころなんやろな」と思いつつすっきり笑えない。きっと笑いのツボが違うんだ、ということにしておく。
  • 瀬尾十郎詮議の段:えーと、うーんと、住さんがとにかく上手いので話に入り込んで人形をじっくり観れる素晴らしい段なのですが、今日ちゃんと聴いていたら錦糸さんの実盛のときの音がね、品がよくて濁ってなくて「さーねーもーりー」って感じだというのに気付きました。この音で実盛は余計に「人物」に見えるんだと思います。実盛は故事を引くのが好きです。実は蘊蓄語りかもしれません。
  • 実盛物語の段:ここは私の大好きな仕方話がありますし、能「実盛」を下敷きにしている部分もあって聴きごたえがあります。歴史物語をざっと見ると、実盛が命を助けた駒王丸の家臣、手塚太郎金刺光盛に討たれたと書いてあります。老武者と悟られまいと髪を染めて戦った、というのもあります。あくまで「物語」で歴史を見てきた人はいませんからホントのところはどうなのか誰も知らないわけですが、カッコいい話はホントだと思うことにします。
  • 傾城恋飛脚は・・・すみません、もう飽きました。勘弁してください。奥の部屋の窓の格子の間が広くなったような気もします。気のせいかも。最後の背景の書割はとても美しいと思います。件の新調衣裳ですが、8日に観たときよりも少しこなれてきたような。8日はホントに腕の付け根は折り紙を折ったみたいだし襟がくの字になって着崩れて見えたりと気の毒でしたが、今日はそんなことなかったです。あ、それと今日、孫右衛門の左さんの頭巾に雪(紙切れ)がずっとくっついたままで気になって気になって仕方ありませんでした。