日吉丸稚桜

DancingDoll2008-04-27

津駒さんと玉也さんに泣かされます。
茂助さんにうかがった話をそのまま書きます。
この「駒木山城中の段」は文楽としての上演は少ないですが、素人さんの素浄瑠璃の会では好まれてよく出るのだそうです。何故かと言えば、短い間にやたらと話を詰め込んでいて登場人物も多くて語る側にはこれほど楽しいものはないから、だそうです。調子に乗りすぎて大声を張り上げて喉をいためてしまったりすることもあるとか。
でも、それはあくまでも素人さんの趣味の範疇での話です。自分が気分よく語ったからと言って聴いている人が楽しめるかどうかはまた別もの。玄人として人に観せる聴かせる舞台として作り上げねば意味がありません。人形さんとしても、この短い間に詰め込まれた話をどれだけ自然に観客に見せるか、それは非常に難しいことのようです。
そういう意味で、私自身は最初にこれを拝見したときに「人形が中堅どころが揃っていて話が自然に流れた」という感想を持ったので人形さんとしてはたいへんいい舞台を作られたのだと想像できます。そしてただ自然に流れるだけでなく命を吹き込んだ玉也さんの五郎助には脱帽しました。この短いのにごちゃっとした物語で泣かせてくれた津駒さんも素晴らしかったと思います。
茂助さんはなんだかずーっと悩んでいて、お遣いになっている清之助さんも辛気な気分になっちゃうのではないかとお気の毒でした。いきなり「女房去った、縁切ったぞ」のところなんか、さぞかし難しかったでしょうね〜。


Q&Aほんのちょっと更新