昨日の続き

  • 「釣女」:これ最近よく観ます。狂言の「釣針」も観ましたし。勘緑さんの太郎冠者はやっぱりとっても可愛かったです。勘緑さんって可愛い〜!今回楽しみにしていたのは以前観た「釣女」で光り輝く美女(ホントに!輝いてたんです!)を遣われた一輔さんがお福ちゃんをどう遣われるのか?ということだったのですが、いや〜、お福ちゃん遣っても上手いんじゃん、やっぱり。品のいいお福ちゃんでとっても可愛かったです。
  • 「解説」:今回も清丈'さんは素晴らしかったです(笑)。希さん、回数を重ねて慣れましょうね!初々しくて可愛かったですけど。一番印象的だったのは勘市さんの手の動きの細かさ。解説をするときの右手(もちろん人形の)の動きが生きているみたいで感動でした。
  • 「卅三間堂棟由来」:やっぱりご贔屓ってすごい人形遣いなんだって思いました。さらさら遣ってる感じなんですけどね。録画なので比較できないとは思いますが師匠の方が「人間っぽくない」お柳です。その分きれいです。ご贔屓のは限りなく人間に近いお柳です。柳の精としてより人間の(母の)色が濃いです。録画のときは木遣音頭ではそれほど泣けなかったのですが(部分部分で映すからでしょうね)、今回は舞台は絵として観たせいかその分浄瑠璃の木遣音頭がダイレクトに入ってきてぶわっと涙が出て震えてしまいました。お柳の魂がみどり丸と平太郎の頭上を舞っているような気がして。
  • で、この「卅三間堂棟由来」はですね、短縮版でした。汚い部分は省いてあるのできれいな話になってます。こっちの方が素直に泣けますが、話そのものの重さはなくなってしまいます。重たい話でやったときにご贔屓の人形がどうなるのか観てみたいな〜と思いました。そっちだとお柳よりも母を誰がやるかが問題なんですが。


*つけたしな話「そうろう(さぶらう)」
「釣女」で大名と太郎冠者では「そうろう」の言い方が違います。狂言でも太郎冠者のような身分の者が言うときは「〜〜〜〜でそろ」と語尾が詰まります。「文楽」と「歌舞伎」をご覧になる方は多いみたいですが「歌舞伎」は「文楽」よりも若いのでフィードバックされた部分があったとしても「文楽」の方が元になっていることがほとんどだと思います。でも「能狂言」は「文楽」よりずっと古くて「文楽」には能とりものも多いので、是非「能」「狂言」も観ていただきたいなあ、と思います。特に能とりものをなさる技芸員さんには観てから臨んでほしいなあ、と思うのですが。能狂言は関東の方が密度濃いから無理ですかね。