だらだらレポ「仮名手本忠臣蔵」3部

  • 8段目「道行旅路の嫁入」
    • 登場人物のセリフの多い「仮名手本」の中で会話でありながらセリフになっていない独特の段。浄瑠璃の聴き取りが難しく、でも字幕を見るとお人形が観れないし、というジレンマに。
    • 2人の動き、特に小浪の動きが段の質を左右すると思うが、この役をやらせて清之助さん以上の人は今はいないと思う(と豪語)。ほーっとため息が出る美しさ。
    • 録画で清十郎さんの戸無瀬を観ていたので、もしもう少し長くご存命だったら師弟でこの段を出来たに違いないと思って残念に思う。清十郎さんの戸無瀬は絶品だった。
  • 9段目「雪転しの段」
    • 勘十郎さんの由良助登場。おお、大きくていいじゃない。振りの派手めのおかるを遣ってから(特に7段目で狂乱したようになるし)由良助は大変だろうと思うが、まったく別人のようになって遣っていたのは流石だと思う。皆を帰したあとに「ヤア力弥」とがらりと変わるところもいい感じだった。
  • 「山科閑居の段」
    • 前半(切)はお石と戸無瀬のやりとりから虚無僧姿の本蔵が現れるところだが、和生さんのお石と文雀さんの戸無瀬はやや静か。清十郎さんが戸無瀬をやった昭和51年のものはお石が文雀さんなのだが、もう少し動きが大きかったような気がする。
    • 切の語りは住大夫なので、床の方を観ている人多し(笑)。かくいう私もついつい。最近は三味線さんも音が違うのがわかってきたが、錦糸さんの音は結構硬いよね。すぱんとくる感じ。奥の燕三さんのは湿ってじわっとくる感じ。面白い。
    • 後半(奥)は本蔵の見せ場。風情といい動きといい品が良くてよかった。玉女さんは夏祭の団七でさえ上品だったっけ。好みの分かれるところだろうな。
  • 11段目「花水橋引揚の段」
    • 短いけれどとってもきれいな段。観ないで帰るのは損だよ〜。私は正面が由良助で得した気分だった(笑)。
    • 猪や馬の脚は人形遣いさんのバイトだと聞いた後だったので馬を感慨深く見てしまった。