10/7巡業@横浜

  • 桂川連理柵」
    • 9月に「冥途の飛脚」を観たときも前ほどイライラしなかったのだけれど、今回もイライラが若干減った。慣れかもしれないんだけど、ひとつ大きな原因は簑二郎さんの遣うお絹が可愛かったからじゃないかと思う。いつもこのお絹さんを見るとダンナに対しても他の男に対しても妙に冷静で上から目線で不快感をぬぐえない。ダンナのためじゃなくて自分のプライドが壊れるのがイヤで策を弄するんじゃないの?って思っちゃうのね。器量よしだけど嫁いで10年、子供はいない、娘みたいなお半にダンナを寝とられる・・・すっごく可哀想なんだけど、自分を可哀想って思いたくないのかな〜って、素直じゃないな〜って、だから嫌いなの。でも、簑二郎さんのお絹はお高い感じがしなかった。肩の使い方も可愛いし、いつもとは別の人だったな・・・
    • 他の人形さんもふんわり柔らかい感じがあって、きしきししている長右衛門が周りから浮いて感じて、雰囲気としてはよかった。長吉はただのアホなのか裏があるのかわかんない感じが微妙に出てて一輔さんはやっぱり上手いな、って思う。お半は簑助さんと比べると「青臭い娘」と「色気ほとほとの女」の切り替えがあまりなくて、その分、普通の娘に見えた。すべてシナリオを書いて心中に持っていった確信犯の悪い娘、の印象はなかった、ような。
    • 帯屋は嶋さんをついつい見てしまうので人形を見たり床を見たり忙しかった。嶋さんの語りを聴ける幸せがいつまでも続いてほしいので、どうかお身体をたいせつになさってくださいね!
  • 「二人禿」
    • えっと・・・配役を見て禿を玉勢さんがやるの?ってかなりびっくり。立ち役の人かと思ってた。で、見てみたらやっぱり動きがちょっと違うな〜。元気のいい娘っ子というか、首の振り方とか手の動きとか(羽子板を動かすとき)が直線的なのね。クイックイッって動く。女の人形は動きにためとか曲線があってほしいのでどうしても紋臣さんの方を見ちゃった自分。ごめんなさい。
  • 「すしや」
    • やっぱり維盛に腹が立った。すしやは大好きだしごんたに泣けるんだけど、毎回毎回、維盛に対して「オマエ、自分さえよければそれでいいヤツの典型だよな〜」って思っちゃう。ホントに文楽の二枚目の首の男ってサイテーだわ。
    • 津駒さんと藤蔵さんが組んでた。正直言って「合わない」って思った。津駒さんのねばこい語りは弥勒さまのようにさくさくと弾いてもらわないと生きないと思う。英さんは大夫の気持ちを押し付けてくるような語りをされるので、お好きな方はいいんだろうけど私はちょっと苦手。感情は自分で入れたい。