2月公演雑記(相当辛口)

1部のみ2回観ました。観てから「やっぱりこれを2回にしてよかったな」と改めて思いました。だって六助もお園も大好きなんだもの。なんたって「でかい女」がヒロインの文楽なんて他にないでしょ。化け物じゃなきゃ(笑)。まあ、思い慕う男に出会ったからと言って「家来のひとりやふたり」なんて言っちゃ〜いけませんけどね。
部としては1部が面白かったですが(僅差で次点が3部)、今公演の人形一等賞は簑助さんのお里ちゃんに決まり!です。いるだけで周りの雰囲気を作っちゃうのはさすがとしか言いようがない。

  • 8日には下手の前後の入りが悪いな〜と思いましたが、千秋楽ではセンター前方がガラガラだったので「ええ〜?」と驚愕。だがしかし、毛谷村から埋まりました。私は割と前の方にいましたからそうでもないですが、一般発売で後ろの方しか席が取れなかった人たちは実に胸くそ悪かったことでしょうな。あそこで30分も休憩入れるのが原因のひとつだとは思いますけどね。
  • 紋臣さんがあんなに動かない役なんてもったいないな〜と思いました。軽快に動ける人なのにね。まあ、配役に関しては積もり積もった不満もあるのであんまり触れたくないんですけど、はっきり言ってこういうもったいない使い方はしてほしくないです。
  • 勘介さん。8日に観たときは「あちゃ〜」って思うくらい動いていました。人形も本人も。友達とも、若いからね〜などと言いながら帰ったのですが、千秋楽はかなりどっしりしていたので驚きました。本人のオーバーアクションも人形の無駄な動きもぐっと減っていたのです。師匠に言われたんですかね?若い人はひと公演の中でも目覚ましく成長するので面白いです。
  • 三輪さんももったいないなあ。こんだけ???どうして???こういうお上手な方がこんな役に甘んじてるのを見るにつけ、伝統文化を守るのは大切なことだけれど、悪しき習慣まで守り続ける必要があるのだろうかと思わずにいられません。「文楽世襲制じゃない」と内部の方まで真顔でおっしゃるけれど、本当に全く関係ないって言いきれるんでしょうか?そういう部分も含めて、これから先行き厳しい大阪の文化活動の中でどうすれば生き残れるのかを真剣に考えてほしいです。
  • 確か、一昨年大阪で「毛谷村」をやった時は玉女さんと勘十郎さんの役替わりだったと思います。体調激ワルの時で行かれませんでしたが、両方観てみたかったです。今回もやってほしかったなあ。玉女さんの方が役には似合ってると思うのですが、私が録画で観たのは先代勘十郎さんが六助だったので勘十郎さんのも観たいです。先代の六助はサイコーですよね。そして玉男さんのお園は超豪快(笑)
  • 今回は正直なところ2部に問題ありでした。同じ部の床に代役が2人も出るっておかしいでしょ。体調が悪かったら休むのは仕方のないことではありますが、お二人とも休みがちな方なのはわかっていることなのだから、何故違う部に配置しなかったのでしょうか?番組作ってる人の気持ちがわかりません。観客のこと、本気で考えているでしょうか?
  • 2部は演目の組み方も理解しかねました。本来なら3部のように「前が悲しい終わり方をしたら明るいものや豪快なものをもってくる」のが文楽の常套のはずです。同じ演目の中でも涙をしぼるような場面の後には笑えるものや涙もふきとぶ豪快なものが配置されています。笑いっぱなしにも泣きっぱなしにもしない心遣い、それこそが「伝統」ではありませんか。
  • それと再度になりますが、わざわざ印刷代かけて別刷りでポスター作ったのなら、それだけ観れるシステムを考えてほしいです。お金を無駄遣いして空席作ってちゃ意味ないでしょ。その日その日で対応するのが面倒なら「下手側サイドブロック最後列は幕見席」で販売すればよかったのにねえ。本当の芝居好きが働いてるんでしょうかねえ>国立劇場