1部に行きました

新橋からタクシーを使うという大名観劇(苦笑)。だって家人を見送ってネコズの環境セッティングをしてからすぐに出てもその電車にしか乗れないんだもん。それでも到着は10分前でした。もう1回行く予定で、一度観て「もういいや」と思ったらカットしようと思ったのですが、ダメですわ〜。「寿式三番叟」をカットしたら時間やお金をかけて行く意味ないですわ〜。


なんと言っても簑助さんの翁が絶品でございます。無心で汚れのない可愛い翁です。形だけでなく「天下泰平国土安穏」を簑助さんご自身が心から願っておられるような気がしました。錦糸さんの糸の音が絶品でございます。最近、神がかった音を出される気がします。三味線さんの連弾(でいい?)はヨダレが垂れそうでございました。三番叟最高!
勘十郎さんの千歳はすごくきれいですがもう少し若い感じがあってもいいかな?と・・・これはあくまで能「翁」のイメージで言ってますので、文楽的にはわかりません。ただひとつ、翁の出を待っているときに面箱が思いきり傾いてるのが残念でした。何よりも神聖な存在の「面」が入っているから千歳が一番最初に前に掲げて舞台に出てくる、そういう大事なものなのできっちり水平に持っていてほしいと思いました。主遣いじゃなくて左遣いの問題なのかな・・・?
三番叟、一輔さんの人形がめっちゃきれいです。高いし、姿勢がいいし、首のキレもいいし、足も動きが大きくて形もよくて。幸助さんの人形も表情が豊かで可愛かったですが、ときどき全身がクシャってなっちゃうのが残念でした。左さん頑張れ!


「御殿の段」は嶋さん〜津駒さんという自分的にゴキゲンな大夫リレー。素浄瑠璃でイケる組み合わせ。そこに人形遣いの重鎮が出てきてしまうという超豪華版なんだけど、なんとなく全体にしっくりきてなかった気がします。何故だろう。来週もう一度観てから感想を書きたいと思います。團七さんがややおとなしめで嶋さんのハイテンションな語りとイマイチかみあってなかったような気もしました。


「堀川猿廻し」・・・愛しの源大夫さまが中途退場されて、それが心配で気になって緊張がプッツンしてしまいました。どこかお悪いのかな。いい語りをされていましたけど・・・。
簑二郎さんのおしゅんがゾクっとするほどきれいでした。はかなげというか、もう死ぬことが先に見えているような幽体みたいな美しさ。簑二郎さんってこういう人形もできるんだ〜、すごいな〜、と思いました。勘壽さんの母はもう熟練のワザで見事としか言いようがないですし、勘十郎さんの与次郎は母娘の会話を邪魔するような悪目立ちがなくていい兄ちゃんでした。伝兵衛さん、きれいなんだけど、もうちょっとやつれた感じが好きだなあ・・・
お猿は、ずっと勘緑さんのを観てきたので正直言ってちょっと物足りなかったです。器用にそつなくこなしていましたが、一生懸命頑張っているのが伝わってきてしまって、その頑張りにこっちも「おう、頑張りや〜」と思って肩が凝ってしまったのかも(笑)。場数を踏めばもっと自然に動くのでしょうね。顔は出ませんが大事な役目なので是非精進してください。でもできれば勘緑さんのお猿を観たいなあ。