2月公演2部『菅原伝授手習鑑』

1部と2部を観る予定でしたが急用ができて1部はパスせざるを得ず、2部のみ観てまいりました。もう1回、最後の日に観る予定ですが、茶筅酒からになるかも、です。1部は1回しかとっていませんでしたが、来週のチケットをゲットして帰りましたのでリベンジします。

  • [道行詞甘替(みちゆきことばのあまいかい)]飴屋さんの格好をした桜丸が天秤で商いをしているんですが、両方の箱に苅屋姫と斎世親王が入ってるっていうんですね。はい、つっこみどころ満載です。桜丸のような華奢な男にそんな思い天秤が担げるのか?その箱の中に人が入れるのか?そんな細い天秤棒が何故折れないのか?などなどなど。しかも、主君が入ってる方の箱の上に飴が刺してあるのよね〜。というさまざまな疑問はさておき・・・一輔さんの桜丸が実にきれいです。幸助さんは意外な配役でしたが、なかなか上品です。ちょっとだけ出てくる紋臣さんの人形が紋臣さんらしく温かくてよいです。
  • [吉田社頭車曳の段]恩ある道真公の流罪によって「松王」vs「梅王&桜」の対立が生じる段。なんといっても津國さんの「んーふ、あーは、はーはーはーはーーーー」につきます。そこまでもちゃんと観聴きしてたんですけど、吹っ飛びました(笑)。この笑いは長い。長いけど飽きない。めっちゃ面白いです。あと、舞台装飾や兄弟の装束の色使いが容赦なくどぎついです。時平のキャラに合わせたのかと思うくらい。紅梅ってここまで赤くないよなーって思ってしまったのでした。
  • [茶筅酒の段]茶筅酒って何かな?という疑問は近所の十作が解いてくれます。亀次さんが飄々と遣ってくれてます。実は前知識として「八重だけが炊事が不得手」というのがありました。八重・・・振袖なんか着てくるし、約束していた義姉の春をうっちゃって一人で船に乗ってきたらしいし(自分は約束を反故にしたけどお千代さんに会えてよかったとか、しゃあしゃあと言いくさるし)、実生活で長男の嫁であるワタクシにとっては「何考えてんねん」な人です。しかし、設定とはうらはらに大根を切るときの包丁さばきは千代より八重の方がいいように見えたような・・・あ、いや、それは、あの・・・ま、いいか。これから起こることをすべてわかっているのは白太夫だけ、というのを思いながら観ると胸がつまるような段でもあります。
  • [喧嘩の段]・・・すみません、半分くらい幽体離脱してた気がします。梅王が来るあたりまでは覚えてますが喧嘩するところをほとんど覚えておりません。気が付いたら桜の木が折れてました。桜が折れるという象徴的な事件を面白おかしく見せてくれる段なんでしょうね。プログラムに玉英さんが写っているのがちと泣けます。
  • [桜丸切腹の段]素浄瑠璃でとても泣ける段なんですが、なぜか今ひとつ泣けませんでした。白太夫が神前で扇を選ぶところなんて、だだ泣きだったはずなのに・・・生では始めて観るっていうので人形を観すぎちゃったのかもしれません。次回はもっと浸りたいと思います。