視聴室に行きました

昨日、視聴室で「寿式三番叟」「ひらかな盛衰記・辻法印の段、神崎揚屋の段、奥座敷の段」を観ました。いつだったか前にも観たのですが、今イチ記憶に残らない作品(汗)。そのときも「こんなのありえない」って思ってふーっと集中力が失せたのをまた思い出しました。千鳥が簑助さんの当たり役で、それを勘十郎さんがやるというのがポイントの上演なのかも。


「寿式三番叟」は四世清十郎さんが翁をお遣いの昭和55年のもの。前にも観た記憶があるのですが、どうもそのときは師匠ばかりを観ていたようで肝心の人形の記憶がなく・・・昨日はちゃんと観てきました。
この作品は能の「翁」をうつしたものだと思いますが、後半の三番叟は床が豪華な「二人三番叟」という感じです。能と同様、千歳(せんざい)が面箱を持って出ます〜〜〜(注:下掛と呼ばれる金春・金剛・喜多の三流の「翁」の場合です。上掛の観世・宝生では千歳は面箱持とは別にシテ方がつとめます)〜〜〜。「鳴るは滝の水」という謡が浄瑠璃になっている部分で千歳が舞い、「とうとうたらりたらりや」という部分で翁が舞います。「今日のご祈祷なり」という部分までは能をそのまま?なのかな?「万歳楽〜」っていうのもあります???(ちゃんと聴いてないんかい!)
千歳と面箱持が同一である場合は狂言方の舞なんですね>千歳。だから直線的にきりきりと舞うのが本当だと思うのですが(千歳がシテ方の場合もそういう雰囲気です)、一暢さんのは日本舞踊的な舞でした。清十郎さんがどう舞われるか、今から楽しみです。ちなみに四世の翁は、まさに能の舞でした。和生さんの翁は「勧進帳」の富樫も歌舞伎より能に近い雰囲気でしたので、おそらく私の「こうあってほしい」という希望に近い舞では、と・・・


余談ですが、日本の各地に「三番叟」は神事として残っているらしいんですよね。翁面を入れた面箱がまず最初に出てくる〜〜、面に神が宿っているということらしいんです。全部「らしい」としか書けない自分が情けない(苦笑)。