女流義太夫の新たな世界@紀尾井ホール

席がちと前すぎて首が痛くなりました。帰りに「解説なんかいらない」という声が聞こえてきましたが、私は今日の解説、面白かったです。「良弁杉・二月堂」の、今日上演する部分までのあらすじもとてもわかりやすく話されていました。話を知らない方は助かったと思いますね。
今日も一人なのでぼーっとして待ってました。周りの方の話が聴こえてきても大抵は興味が持てるような話でないので右から左なんですけど「呂昇のSP盤を何十枚も持ってるんだ」という声に耳がダンボに(苦笑)。「でもSP盤だから難しいしねえ」と仰るので、よほど振りむいてもったいない!ディスクに保存すべきです!って言いたかったのですが、さすがに恥ずかしくて言えませんでした。

  • 二人三番叟:これがあるの、知らないで行きました^^;駒之助さんの「二月堂」しか頭になかったのでびっくり。すごく申し訳ないのですが私の中では「三番叟=勘緑さん」なのでなにかしっくりきませんでした。皆さま、ごめんなさい。それと、三番叟のような迫力の必要なものは女義さんより男性の方がいいかなあ、と思いました。「二人禿」みたいな柔らかい曲にすればよかったのに、とも。人形さんは足を主に見てたんですが(席が前すぎて下の方を観てる方が楽で)、清三郎さんの人形(太夫)の足の方が重心が低くて形もよかったと思います。
  • 良弁杉由来・二月堂:予習したときも不思議だったのですが、なんで近習の人さんたちは持ってるものを投げて遊んでるんですか?わーい!って思って面白く観てるんですけど、なんでこんなことをするのかわかりません。駒之助さんはやっぱりいいですね〜。合三味線の津賀寿さんもいつも安定していい音色を出してくれるので安心して聴いていられます。後半ずっとだだ泣きでした(なんでこんなに泣けるんだろ〜)。和生さんの良弁さんはとても優しそうでした。この首、とてもステキです。左さんがしっかりしていて遣いやすかったのではないでしょうか?左さんはどなただったのでしょうね〜。
  • その他1:解説の女義さんの歴史の話が面白かったです。三蝶さんという方が太夫としてだけでなくプロデュース能力も高い方で、その方の企画で文楽人形とのコラボ公演が定期的に催されたのだそうです。駒之助さんはこの三蝶さんがその才能を見出し、14才で「駒之助」の披露をなさったそうです。天才義太夫少女として見出されたわけですが、当時は家に帰りたくて泣く日が多かったとか。
  • その他2:私から見える範囲でも「良弁杉」でプログラムに印刷された床本を読む人が何人もおられました。駒之助さんの語りはたいへん明快で普通に聴いていればわかると思うので「これってもしかして”劇場に字幕がある”ことの影響かな?」って思いました。なんとなく床を読むのが癖になっているんじゃないでしょうか。