追記

4月公演を観たあとに天地会があり、文楽太棹がありで公演の感想が脇においやられてしまいました。2日に人形のことだけメモ書きのように書いたのですが、そこで「清之助さんのおかる」について中途半端なままになっていたことを思い出しました。思い出しつつちょっと書きたいと思います。
最近話があちこち飛びがちですが^^;私はあくまでも清之助さんのお人形のファンですので、今回も他の皆さんに申し訳ないとは思いつつ、楽日は上田村で劇場を出させていただきました。清之助さんのお人形を最後に見て〆たかったからです。
29日に観たときは清十郎師匠のおかるの姿をイメージしていたので随分印象が違いました。師匠のはもっと骨太で、いかにも女系の婿取り跡取り娘っぽい表に押し出すような強さがあったのです。一家を仕切ってる!という感じの肝っ玉母さんみたいな、よく言えば大らか、悪く言えば雑という感じ。だから出からして「え?」と思い、混乱したまま見終えてしまいました。
それで、楽日は先入観を全部ポイしてこちらの頭をまっさらにして臨むことに。そこで浮かんできたのは「女系の長子に生まれただけで好きで跡取りになったわけではないけれど、自分の運命を受け止めて一家をきりもりしてくという覚悟を心の底に持つ包容力豊かな女性、慈愛深くまた謙虚な女性の姿」でした。「お千代が可哀想」と泣くのでなく「お千代の心の痛みを自分の痛みに感じて」泣く姉でした。その細やかな思いやりが随所に出て、ただ強い姉であるよりも父親やお千代の存在を生かすおかるになっていたと思います。もう1回、観たかったですね〜。