茶の湯とは

茶の湯とは心に伝え眼に伝え耳に伝えて一筆もなし」
この”茶の湯”の部分を何に替えても同じ、だそうです。自分の目で見て、耳で聞いて、ここにはないですが触れて嗅いで味わって、そして心で感じるのが大事ってことだと思います。

型が大事、というのは決まった所作があることで周りの人と和して人を安心させるから、という点でも自分の考えていることとしっくりきて嬉しかったです。東次郎先生も「人を驚かさない」「驚かすことで笑いを得たりしない」のが狂言だと仰っていて、相通ずるものがあるなぁ、としみじみ思っています。一瞬「あっ!」と思わせて注意をひいたとしても、それはそこだけで終わること、空しいことかもしれません。

私のようにあちこち霞がかかった脳の持ち主で(苦笑)”五感だけ”で生きているような者が言っても説得力がありませんが、ロジカルシンキングにばかり頼っていると目の前のことが見えなかったりするんじゃないでしょうか。「今は桜の時季だから」桜しか見ない人と、今そのとき、目の前に咲く花に気付く人と、どちらの人生が豊かでしょうね。たまに立ち止まって考えることもたいせつですが、春の一日、庭先の一輪の花に気付くのも「一期一会」、そう思ってのんびりしたいものです。