隅田川考

能の隅田川は本当によくかかります。能初心者でも感情移入しやすい曲だと思います。そして作品に流れるものは日本人だけでなく人間すべてに通じるものらしく、イギリスで「カーリュー・リバー」というオペラに書きかえられてもいますし、知名度は高いと思われます。
義太夫語りでこれをやる、というのでどんな感じなのかと思っていましたが、能が主人公は既に東国に来ているところから始まるのに比べて前振りがとても長いです。そのおかげで戸無瀬母子の道行っぽく東海道の宿場が盛り込まれていて面白いのですが、緊張感はどうしても薄れる気がしました。それと、能のお囃子って三味線に合わないですね。なんででしょ?