2月公演1部『芦屋道満大内鑑』『嫗山姥』

先週見損ねた1部に行ってまいりました。行って思ったのは、結果的に先週行けなかったのが幸いしたということです。先週ムダにしてしまった席とあとから買い足した今日の席、列は同じなのですが先週はかなり下手だったのです。1部って床が面白いんですよ!今日とったのはセンターブロックの上手通路から2席目のばっちり床正面でサイコーでした。
1部はどちらも映像でしか観たことのない作品で、映像で観たときに「んー、イマイチ?」と思っていたものでもありました。そういうのって、生で観るとだいたい「床がいいんだぁ」なんですよね。今回もそれを痛感。とにかく「三味線を浴びる」という感じでした。

  • [葛の葉子別れの段]清友さんの休演でどうなるんだろう?って思っていた葛の葉子別れの段、とてもよかったです。嶋さんはもちろんですが、団七さんが!色っぽい!失礼な言い方になるかもしれませんが、私が聴き始めてから4年半で団七さんがここまで気合いの乗った演奏をされるのを聴いたのは初めてだという気がします。やはり切り場だと気合いが違うのでしょうか。もう一度聴きたかったですが1部はもう行けないので残念です。
  • [蘭菊の乱れ]ここはやっぱり文雀さんで観たかったです。ここだけでも出ていたいただくわけにはいかなかったのでしょうか。もちろん、とてもきれいだったのですが「きれい」の先が見えなかったです。文雀さんの「関寺小町」は「一人の老女の悲哀」だけでなくその先が深くて見ごたえあるんですよね。能楽師でもなかなかあそこまで表現できない、と思う何かが。それがこの作品にもあるのかどうか観てみたかったです。
  • [嫗山姥]玉女さんの源太がきれいです。すっきりした男前をやらせたらやっぱり一番似合うのでは。でも、作品そのものはそんなに面白い作品ではない気がします。どうしてこの作品が来たのかな〜って思っていましたが、ここの切って三味線がすンごいんですね。だから4月の襲名の前哨戦なのかな、なんて思っちゃいました。いや〜、いいですよ〜>清二郎さん。