芝居小屋とか伝統芸能とか

この前書いた続きというか付けたし。


何年か前、宇和島の人に「内子座文楽を観る」という話をしたことがあります。その方はもちろん「内子座」はご存知でした。でも「文楽公演がある」のはご存知ないし「文楽」をご覧になったこともないとのこと。「歌舞伎をやっているのに気がついたことはあるんですけど、すぐに売り切れてしまうらしいです」と。歌舞伎の巡業って人気あるみたいです。特に西の方で上方歌舞伎でないものを、と思うとすぐに売れちゃうのもわかる気がします。
今、伝統芸能は歌舞伎の一人勝ちという気もします。比較的新しいものだから時代に合わせて変えていきやすい、というのが大きな利点ですよね。能や狂言はアレンジしにくいですし、アレンジしたら能ではなくなっちゃう気もしますし、型を守っていくことで生き残っていく芸能だとも思います。


で、文楽は?能より後に生まれ、歌舞伎よりは年上の芸能の文楽はどうなんだろう???なんてことを考えだすと、また眠れぬ夜になってしまうわけで。確実に思うのは「歌舞伎は一度なくなってもまた似たような芸能が生まれるかもしれない」けれど「文楽は一度なくなったらもう同じ形での再生はないんじゃないか」ということです。歌舞伎のように役者が演じるものは極端な話、1人でも再興できますが、人形浄瑠璃は1人じゃできないですから。
最近ツイッターでフォローさせていただいた方が「日本の文化はほっておいたら、いつのまにか滅んでしまいます。経済界のみなさん、政治家のみなさんにも、日本文化が永続するという信仰は捨ててもらわないと」という風に書かれていて、うんうんと頷いてしまいました。


というわけで、鑑賞教室始まっています。お近くの方はお得な「文楽デー」も、そうじゃない日も、是非足をお運びください。前半後半・午前午後で4組の組み合わせが観れますよ〜!どれがいいとか比べるのもよし、こういう表現もありか!と目から鱗になるのもよし。東京の鑑賞教室は2組しかないんですよ!大阪人、得ですよ!