2月公演

19日(金)の第3部はダイナースクラブの貸切公演みたいで〜す。
「SIGNATURE」誌より↓

ここに、2008年2月の公演プログラムに寄せられた脳科学者の茂木健一郎さんの「文楽の宇宙に沈潜する」という文が転載されています。そこに常々思っていることが的確に書かれていて、自分の拙い文章よりもこれを読んでもらった方が理解してもらえそう、と思いました。全文書きうつすことはできませんが、少しだけ抜粋して書かせていただきます。

  • 筆者が歌舞伎に夢中だった頃に出会ったドイツ人に言われた言葉
    • 『物理的には、人形の顔を動かすことはできません。でも、そこには素晴らしい表情の変化がある。はっと息をのむような劇的な動きがある。ある意味では、人間の役者が演ずるよりも人形の方が表現の可能性が広大であるように感じられるのです』
  • それを受けて半信半疑で文楽を観た筆者の思い
    • 『人形という、もとは無機物に過ぎないものが人間の喜怒哀楽を表す容器となって動き出す。生身の役者が演じていない分、抽象性が高く、かえって人間という存在の中心にある、普段は見えない本質が露わになるように感じられる』
  • 筆者の文楽への思い
    • 『大夫の語りに表れる人間の肉体性の豊穣。人形遣いが生命を吹き込む人形の動きの繊細さ。聴く者の心にしみ入る三味線の響き。文楽の宇宙を彩る三位一体の芸に接する度に、その芸術の普遍性が確信される』

まさにその通りだと思います>茂木先生。それゆえに、この芸能に触れる機会のないまま人生を終えてしまう人が多いであろう(これからますます増えるであろう)ことが残念です。