石の上にも3年ですね

伝統芸能に出会ったのは最近のことです。2003年の秋に初めて「能」に出会い、「こんなに素晴らしい芸能を何故今まで知らなかったのだ」と電撃に打たれたようになりました。でも性格的にパっと飛びつけないのでいろいろ調べたり謡本を読んだり(苦笑)。半年後に能と対になっている狂言の魅力にも目覚めて今に至ります。5年の歳月をかけたわりにはまだ入り口の辺りにいますね。伝統芸能は奥が深くて巨大迷路のようで、踏み込めば踏み込むだけ迷いも増えていく、堂々めぐりをして気づくとふりだしに戻っている、そんな日々の繰り返し。私は「どM」なので「もっといじめて」と思っちゃうのですが(笑)。


3月に文楽観劇歴も満3年になります。すぐには飛びつけない性格の上に「能の方が面白い」と思ってしまって、そのあと観続ける自信ははっきり言ってなかったです。ただ、最後に観た「鷺娘」の美しさは脳裏に貼りついたように忘れられませんでした。その「鷺娘」にすがるようにしてもうすぐ3年。今月末には3年前に鎌倉で「鷺娘」を遣っていた人が文楽劇場で遣う「鷺娘」を観ることができます。今度も「鷺娘」は私の中で羽ばたいてくれるでしょうか。ドキドキです。

文楽に行き始めた頃は浄瑠璃を聴くことの方に力がいってしまって、正直「これって耳だけでいい芸能なんじゃないか」と思ったこともあります。能の謡と違って文章の完成度が高くて聴いていればわかるからです。でも、日本中の各地に神に捧げる舞を舞う人形(形代)があることを思うと「人はみな、耳で聴いて己の心に湧き出す思いを人形に乗せて観ているのかな」とも思うのです。素晴らしき哉、人形浄瑠璃


今年は芸能の枠に関係なく「三番叟」を少し勉強しようと思っています。三番叟ってたぶん、農耕の民の村落で生まれたものだと思うんですよね。鈴は「稲穂の実り」ですよね?元々この島国にいたのは狩猟民族で、大陸から農業が伝わってきたと聴いたことがあります。ってことは南の方から調べていかないとあかんのかな?・・・なんて、もうこの1〜2年そんなことばかり考えているんですがなかなか行動に移せません。田舎住まいで図書館が遠いのがネックですが、今年こそ頑張って調べてみたいと思います。