地方公演昼の部@5日

「一谷嫩軍記」熊谷桜・熊谷陣屋
「陣屋」は録音では何度も聴いています。人形を観られるのをとても楽しみにしていました。1回しか観ていませんので橋本での印象だけですが、藤の局がちょっと弱かったかな?と思います。相模は言うまでもないですが、弥陀六が素晴らしかったですね〜。ぐいぐいテンションを上げていく語りにびたっと乗っていました。カッコいい〜!「平家のために獅子身中の虫とはわが事。さぞや御一門陪臣の魂魄。我を恨みん浅ましや」の辺りはだだ泣きです。熊谷の仕方語りも見応えあります。抑えめの動きの中に苦悩が見えて切ないです。
何回か拝見できればそれぞれの人形の部分部分まで観れるのですが、1回だけ、それも初めてなので全体的な印象しか受け取れませんでした。下手の端っこの席で、ツメさんが大好きなので「熊谷桜」で4人が目の前でワイワイやってくれたのが嬉しかったです。制札を見て「見事」だと言いつつ「ひとつも読めぬ」(あっちゃ〜!)っていうのがツボなんですが、右から2人目のツメさんの役でした。


「紅葉狩」
勘緑さんの維茂、前半は動きにくそうですが(笑)、後半は水を得た魚のようにはっしはっしの立ち回り、目の前に紅葉の枝が飛んできました。清十郎さんはまだ9月の疲れが残っておられたのか、やや精彩を欠いた印象がありました(とは言ってもレベルが高い位置での話ですが)。今はきっともう、去年の大阪公演の手ごたえを取り戻されていると思います。北海道は空気もいいし食べ物もおいしいし、絶好調なのでは?