視聴室

DancingDoll2008-02-18

  • 「鑓の権三重帷子」(昭和58年2月)
    • 浜の宮馬場の段(出遣い):なんだかちょっとちゃっちい馬が後ろの方で競走して、一方が落馬します。そこで「馬から落ちて落馬しただけ」「馬から落ちて落馬したとは念のいった落馬だ」という会話があって足をじたばたさせて笑ってしまいました。ここが伊達さん(このときは伊達路さん)なんですよね〜。
    • 浅香市之進留守宅より数寄屋の段:この演目を観たのは清十郎師匠が出ていらっしゃるからなのですが、師匠は市之進なので「数寄屋」からなんですね。前半の「浅香市之進留守宅」はなんちゅーか、作りの雑な昼ドラみたいな感じで「ありえぬ展開だー」ってちょっと退屈でした。ここ、出遣いじゃないんですが、おさゐ上手いな〜って思っていたら玉男さん。それと、伜虎次郎が出てきた瞬間「子供の役なのにうまいな〜」って思って、帰って調べたらなんと豊松清之助さんでした。それにしても「みんな酉年」って(爆)。
    • 伏見京橋女敵討の段(出遣い):正直言ってこの話の展開について行けず、この辺はもう浄瑠璃も耳に入らず。でも師匠はもちろん、大きいしきれいだし、ご本人もカッコいいし(笑)、話の内容はともかく大満足でした。
  • 「ひらかな盛衰記」(昭和54年2月)
    • 梶原館の段:前回、師匠の「笹引」を観たくて3段目の前半を観たのです。この公演の録画で残っているのはテープにして3本だけなんです。1本目がなぜか3段目(道行〜逆櫓)。2本目が2段目の「梶原館」からで、3本目が4段目なんです。調べてみたら上演もその順番なんですね。実際は3段目の前に2段目の「桂の里楊枝屋の段」というのが入っています。フクザツな進行です。この「梶原館」はとっても若〜い津駒さんと清友さんでした。千鳥(後に傾城梅ヶ枝になるらしいです)に絡む梶原平次景高が小玉時代の文吾さん。大きな人形遣ってますね〜。
    • 先陣問答の段:長子の梶原源太景季が高綱との先陣争いに負けて、父親に「故郷に帰れ」と言われて帰ってくるのですが、父親は母親に「景季を討て」という書状を送ってきます。このあたりの経緯がよくわかりませんが、兄弟で仕方に語るところは人形的にかなり面白いです。例の宇治川の先陣の「腹帯の伸びて見えさうは」ってとこですね。平家物語のノリのいい語りに乗って玉男さんと文吾さん2人の人形がバシバシ決めて動きます。
    • 源太勘当の段:母は勘当することで息子の命を長らえさそうとします。千鳥も一緒に出してしまう気の利いたお母さんなんですけど、次男には冷たいんですな(笑)。先頭に立ってお家の名誉を背負って戦う長男と、詐病してやりたい放題の次男、見た目も全然似ていないのですが、同じ子供なのにね〜。

「がんばれ凡人」という面白いサイトがありまして、そこの「古典に親しむ⇒平家物語⇒巻第九」に「宇治川の先陣」も載っています。ご参考までに。このサイトの管理人さん、なにげに同い年だったり^^;でも全然「凡人」じゃないですよ。巷の「識人」を名乗る人よりよほどハイレベルです。


来週は「ひらかな盛衰記」4段目を観に行ってきます。それと、前にも一度拝見しましたが143回公演の勘十郎さん襲名披露口上をまた観てきました。