金殿の段

お能関係で親しくしていただいている方が(古典芸能に詳しい)「妹背山」をご覧になったそうで、その方のブログで金殿の段で笑いが起こるという現象を嘆いておられた。私も笑っている人がいるので「何笑ってるの」と不快に思っていたのだけれど、その方の文章を読んでちょっと納得できた。それは、あの段取りでは、お三輪は恋仲の求馬と橘姫に横恋慕しているだけの娘だと受け取られても仕方ないということである。私は前もって録画で「杉酒屋の段」も観たし、ストーリーにも目を通したのでお三輪の気持ちが痛いほどわかったが、今回の段だけを観ていたらわからないかもしれないなあ、と。