備忘録

2回目の「曽根崎心中」を観て・・・「生玉社前」が三輪さんだというのが、この舞台を厚いものにしているのでは?という府中での思いが確信に変わりました。ここは人形もですが語りも雑だとチャリ場みたいになっちゃう危ない段だと思うのですが、三輪さんが丁寧に、変に感情を込めずに語っておられることで物語の土台みたいなのを作ってる気がします。
20列だったので、初めて文楽で「オペラグラスで特定の人をガンミ」というのをしましたが、やっぱりダメですね。素で観ていると人形だけ見えるんですが、オペラで見ると人形遣いさんの方が目立って見えちゃう!失敗です。やはりチケットは早めにおさえて10列目くらいで観たいものです。
道行の、清介さん(お初)の三味線が吐き気がするほどきれいでした(表現が変だなあ)。自分の中の「心中」に対する抵抗感をピリピリとはがされていくような音色で、自分もあっちに片足突っ込んでる気分に・・・


えーと。なんて書いていいのかわからないのですが、遠い席だったのもあるのでしょうが天満屋あたりから「お初」「徳兵衛」が2人(2体?)で1つの生き物に見えました。くっついていればもちろん、離れていても間に空気以外のものがあって一体化してるというか・・・まるで化け物みたいですが、ホントにそう思いました。共に死のうと思った瞬間から尋常な世界じゃないんだな、もう。


オット、嶋さんの右手の独特な動きにも気が付いたようです。なんか嬉しそうに「今日も動いてるねえ」と言ってました。何を観に行ってるんですかね(笑)。