バックに流れた映像

知立の公演、ラストでバックに映像が流れるんです。与兵衛人形が公園にいるのと、キムさんがスーパーにいるの。与兵衛はうんていをしたりすべり台で滑ってたりするの。ひとコマひとコマがだんだんと短いカットになっていって、それを見てたら「与兵衛は逃げ切れへんかったんや。最期に小さい頃のこととか逃亡生活とか、色んなことが走馬灯みたいによぎっていったんや」って思ってしまったんですね。
与兵衛に対して「逃げ切れるもんじゃない」と思ってた自分が、それを見たら急に「逃げ切ってくれ」って思ってしまったわけです・・・どうしてか?それは砂場で遊んだりうんていしたりしてる与兵衛と我が子が小さかった頃とが重なったから。甘やかしたのかもしれないけど、極道者のごんたくれや犯罪者にしようと思って育てる親はいないもの。もし我が子だったら「逃げてくれ」って思うかもしれないもの。


それでも「人殺しは人殺しや、絶対に人を殺したらあかん」という思いも確かにあるわけで・・・って、映像の前から盛んに与兵衛から発する「オレもあんたらも一緒や」という空気を感じていたのに、最終的に映像をつきつけられて「ぐわわ」な状態で終わられ、混乱の極みでした。ま、生まれてからずっと混乱してる人間なんですが(苦笑)


それでまあ、お吉も人の親だから許したんじゃないか(死後に魂やなにやらあるという前提)、と思ったりしたわけです。