でございます

4月公演に「絶対に行ける」という確証がなかったので、自分の今回の公演への思い入れは書かないままでした。でも、行けるのが確実になったので行く前に書いておきます。ズバリ、観たいのは「簑助さんの雛鳥」です。文楽ファンの皆さんは「簑助さんのお三輪ちゃんが観たかった」という方が多いですが、私は雛鳥がどうしても観たい。お三輪ちゃんは何度か拝見したことがあるから、というのもありますが、とにかく雛鳥。


山の段はナマで観たことがありませんが、国立劇場視聴室で昭和44年の録画を観ました。配役は下記の通りです。

  • 後室定高:桐竹紋十郎(二世)
  • 大判事清澄:桐竹勘十郎(二世)
  • 久我之助:豊松清十郎(四世)
  • 雛鳥:吉田簑助(現・三世)
  • 腰元小菊:吉田小玉(後・五世文吾)
  • 腰元桔梗:桐竹一暢

昭和44年と言えば41年前のことで、簑助師匠以外は既に他界されています。そんな中、今も雛鳥をお遣いの簑助師匠。文楽を支えてこられた偉大な方です。それを思っただけで涙が出ますよね。
この公演の頃は清十郎師匠とは将来を嘱望されるライバル同士だったと聞いています。この2人の「雛鳥・久我之助」はモノクロ映像で観ても、それはそれは絵のように美しくて切なくて・・・。だから観たかったんです>「簑助さんの雛鳥」。簑助さんが静御前をなさったときは「ああ、忠信が四世清十郎さんの録画を何度も観たなあ」って思って泣けましたし、きっとまた、話の筋で泣けるのとは別に涙涙の観劇になると思います。バスタオルが必要かしら。