昨日の解説で思ったこと

全員で「ととさん〜」を言う時も、周りで声を出している人は少なくて(自分はガンガン出してましたが)、人形は希望者がいませんでした。それでふと「大阪のお客さんは楽しみに、東京のお客さんは勉強をしに」という某人間国宝さまの言葉を思い出しました。私は住んでいるところで人間そのものが違う、という考え方はしないので(国宝さまに逆らうつもりはありません!)「その差は育った環境」だと思っています。「子供の頃から慣れ親しんだ「もの」で身に沁みこんでいるから「楽しむ」段階にいる」vs「大人になるまでほとんど知らなかったので未知だから知りたい」ってことだと思うんですね。もちろんそれは文楽に限らず、あらゆることに当てはまるんですけど。

でね。東京の「なんとなくノリが今ひとつ」のお客さん(子供でなく大人)には参加型ではなく「こういうのもあるんだよ」って見せてくれる、教えてくれる、っていう解説をしたらどうかな〜って思いました。「ブンラク君を知らない人」と「ブンラク君と幼なじみの人」、両者にブンラク君に同じ接し方をしろと言うのは無理じゃないですか。さらに、東京近辺の人ならある程度知っているでしょうが、地方に行けばもっと「知らない」「初めて」の人が多いでしょうし・・・

そこで思ったのは、日経ホールやかまくら文楽で勘十郎さんがなさったように「ツメさん活用」なんてどうかな、ってことでした。ツメさん何体かで小芝居を見せておいて「1人遣いでさえこの表現力、3人で遣えばどんなにスゴイか」ってふっておいて、舞台に入る。もっとも、私が特別ツメさん好きなのかもしれませんけどね〜(笑)