だから伝統芸能にしたのに

若いころは野球ばかり観ていて、野球選手の応援をしていました。でも馬車馬で「一人を命」の私は辞められるのが辛いんですよね、耐えられない。そう思っていた頃に伝統芸能に出会い「これは高年齢まで舞台に立っていてくれる!いける!」と思いました。伝統芸能一本で行こうって。
でもどういうわけか2年前に野球選手ととんとんの寿命の宝塚歌劇に出会ってしまいました。最初は怖かったです。辞めちゃったらどうしようって。でもだんだん慣れてきたところへ星のトウコさんの退団・・・もちろん観始めてからわたるさん、コムちゃん、かしちゃん、おささん、って退団はありましたけど、私が観始めてからトップさんになった人の退団って初めてなんです。なんかすンごくショックでした。「スカピン」を観て「ああ、これ半年くらいやっていたら『オペラ座の怪人』みたいに通うのに」って思ったばかりでしたし。
去年バウで「ハリラバ」のラストを観た瞬間に「え?辞めちゃうの?」って思った恐怖がよみがえりました。組替えって聞いたときは「辞めないならなんでもいい」って思いました。今も「専科として劇団に残ってほしい」って思ってます。でも、いつかは辞めちゃうんですよね。この喪失感が怖くて伝統芸能一本にしようって思ったはずなのに。私ってなんてバカなんだろう。