観客動員

能公演は基本的に1回きりなので長期公演とはまた違うと思いますが、若手の能楽師の会で「動員数を増やすには」という話になり、舞台プロデュースの仕事をなさっている方のお話を聞きました。
まず宣伝力、リピートして来てくれる企業スポンサーを探す、個人の力に頼っているようでは先細りは目に見えている・・・などなど、私のような素人には驚くようなことがたくさん。個人のお弟子さんやお客さんでは広がりもなく行く末も危ういわけで、客層を広げていく、変えていく必要もあるという点は私も大きく頷きました。「能なんか知らない」という人に興味を持ってもらうにはどうすればいいのか。。。
それと、伝統芸能で歌舞伎が安定しているのは「松竹」という大きな企業がついているからで、能の場合はそこまで大きな後ろ盾は要らないにしても、こちらで情報を仕入れて、来てくださりそうな企業の社長さんに挨拶に行くことも必要になってくるとのこと。
宝塚も阪急がメインではありますが、三井住友などの色々なカード会社とか、企業貸切公演が結構あります。企業名を冠した公演もあります。歌舞伎も宝塚も一般ピープルには想像できないような資産家がパトロンになっていることもありますが、個人ではせいぜい1公演の全日程を数席ずつおさえるとか、団体を入れるとかが限界で、貸切まではいかないかと思います。


で、文楽って企業スポンサーはないのでしょうか?基本的に個人個人で、っていう印象が強いです。よく耳にするのはおヨメさんが資産家のお嬢様で貧しい生活をバックアップするという昔ながらの(?)芸人さんパターンですが、それも「個人」への投資であって「文楽」全体の話ではないですよね。そういう営業はしないのかな?と思ってからふと「誰が営業するん?」と。劇場は「国立」ってついちゃってるからダメなのかも?と思いますが、どうも「文楽」という団体の明確な姿が見えてきません。輪郭も見えないし不透明感があります。秘するが花、は世阿弥だから「能」なんですけどね〜(笑)。「能狂言」の方が透明感ありますよ。