清之助さんに聞く

今回はちゃんと下準備をしてまいりましたので、たくさんお話をうかがえました。まとめてQ&Aページにアップする予定ですが、この数日は時間がないので取り急ぎ、今上演中のものについてだけ書いておきます。


Q:「増補大江山」のお役についてひとことお願いします
A:罪のない作品ですので、楽しんでやるようにしています。少しでも形良く間取りよく扇の扱いも美しく。こういう舞踊劇的なものは基本的な技術の鍛錬になると考えていますので、テクニックを磨く場とも感じています。若菜はまだ良いとして鬼になるとヘロヘロなので申し訳なく思っています。毛が豪快に振れないのが辛い! (結構豪快に振り回してますよね?)


Q:「紅葉狩」と似ていますね?
A:本当に良く似ています。ただ、遣う方としては更級姫は赤姫なので格もあり、振袖にうちかけも着ていて重く、肉体的にも精神的にも気が張ります。自分が裃つけて左・足も出遣いですしね。二枚扇もプレッシャーです。そこへいくと戻り橋は気楽です。


Q:「鬼」は存在すると思いますか?
A:わかりません。基本的に「鬼」という存在が何なのかわからないので。異人でしょうか、征服された部族・民族なのでしょうか。すべてを超越した絶対的な存在は信じていますが。「鬼」がどこから来たのか民俗学的な興味はあります。
今回の悪鬼は単なる「綱の好敵手」だと思っています。


Q:衣装(早変わり)や装置・照明などは毎回こういう感じですか?
A:そうですね。早変わりはずっと黒紋付では面白くないだろうということでやっています。自分持ちではなくて劇場のを借りています。暑いです(笑)。最初に出てくるときのスモークはロスコーという油を加熱することで出しています。ドライだと煙が下に行ってしまうのでダメなんです、床も濡れてしまいますし。チカチカするのはフラッシュをたいてるわけではなくて照明じゃないでしょうか、ちょっとわかりませんが。


私的には清之助さんも裏方さんも「会心の一撃!」という出来だと思います。まだ残券のある日もございますので、是非足をお運びください。