視聴室(13日)

DancingDoll2007-12-14

昭和47年5月の「菅原伝授手習鑑」三段目の”喧嘩の段””桜丸切腹の段”と、平成5年12月の鑑賞教室「傾城阿波の鳴門」を観てきました。ABプロを見比べるつもりでしたが、ちゃんとした映像はAプロだけでBプロの方は記録用だそうなので見ませんでした。音声も雑音が多くて。ちなみにBプロの口上は清之助さんでした。平成4〜5年のものだと遭遇率高いです。感想は明日書きます。もー眠い。

  • 「桜丸切腹」は津大夫&先代寛治。素晴らしいです。前にも書いたと思うのですが津大夫さんの語りだと「何をやっているのだろう」「何を言っているのだろう」って思わないで人形に集中できます。それも初っ端から全開です。ここまでテンションを上げて語り出すのって大変なことだと思います。清十郎師匠の白太夫、抑えた遣いがかえって涙を誘います。ああああああ!なんでもっと早く文楽という存在に気付かなかったんだろう!残念でなりません。
  • 「傾城阿波の鳴門」は阿波の人形芝居で一度観たことがありますが文楽では初めて。Aプロは嶋さん&団七さん〜十九さん&団六(寛治)さん、Bプロは咲さん&富助さん〜伊達さん&喜左衛門さんです。Aしか観ませんでしたので比較はできませんが、面白い組み合わせだなあ、と思いました。嶋さん〜伊達さんという組み合わせの方があってそうですが。人形はAプロが文雀さん&玉男さんでBプロが簑助さん&作十郎さん。どちらかというとBが観たかったのでちょっと残念でした。もっと泣けるかと思ったのですが、今ひとつだったのは先に津大夫さんの桜丸切腹を聴いちゃったからかもしれません。

録画を観る前に清之助さんに「これから清十郎師匠が白太夫の菅原伝授の三段目を見ます」という話をしたところ、即座に「勘十郎師匠の代演ですね」と。よく覚えておられるなあ、と思ったら「清十郎師匠がああいう役をやるのは後にも先にもその時だけです」と仰るので「え〜?でもこの前”天拝山”を拝見しましたけど、すごくよかったですよ」と言うと「そこが引き出しの量の違いなんですよ、もったことのない人形でもこなしてしまえる、そういうレベルの人形遣いなんです」だとのこと。僕なんかとは全然違う、と仰るので「清之助さんも、婆でも又平でもなんでも出来そうだけどな〜」と思いましたがそう言っても絶対否定されちゃうから言いませんでした。ま、団七とか金時とかは向かないかも?

清之助さんには「僕は崩れてきちゃってるからあんなにきれいじゃないです」と否定されましたが、遣うときの姿勢がよく似ているのです。録画でカメラが引いて遠目になると師匠なのか清之助さんなのかわからないくらい似ています。「師匠の人形がきれいなのは腕を伸ばして遣っているからです」とのこと。どうしても肘を曲げて身体につけてしまうのだけれど、清十郎師匠は腕を伸ばして人形を離して遣われるのだそうです。「それだけ足が大変なんです」と。時間があればもっと師匠のお話を伺いたかったです。