観方

ただ観ていればいいっていうご意見、勉強なんかする必要はないというご意見、いろいろいただきます。でも所詮「観方(聴き方)」っていうのはその人の好き好きなんじゃないでしょうかね。私は絵を観るのも好きですが、いろいろ考えて観る方なんですね。自分がどう感じるかではなくて、その絵の情景の中に佇んでいる画家さん、その視線、その視点、その思いなんかに埋没するんです。美しい情景を観て絵にしようと思う画家さんの感動を感じたい。そうして観ていると絵一枚でも泣けてきます。特に思い入れの強いもの、たとえば平山郁夫さんの原爆ドームの絵なんかは絵には描かれていない苦しむ人たちの思いまでも平山先生は絵の具に乗せて塗りこめているであろうと思うと震えがきます。
そんなわけで演劇も演じる人だけでなく、原作を書いた人、作品として演出する人、そういうものを余さず漏らさずできる限り受け取りたいと思っちゃうわけです。欲張りなんでしょうね。