長町裏

床がもんのすごいのですっかり人形のことを書くのを忘れましたが、人形もすんごかったんですよ、はい。玉也さんはもう誰も真似のできないご自分の芸風をお持ちで、この役、若手の会だったら誰がやるんだろう?って思ってしまいます。団七@勘十郎さんもただ大きいだけでなく内面の葛藤を如実に出して秀逸でした。主遣いだけじゃなくて左さん&足さんも上手いんですわ、これが。私は普段、左や足が誰かなんてほっとんど考えませんが、こればかりは「誰だぁ?」って思いました。
それと、観ていて「うぎゅ〜」ってなる瞬間がたまにあるのですが、19日の観劇のとき「こりゃもう是非に及ばぬ、毒食わば皿」と団七が思いきるとき、ぐぐぐーっとためてハっと息を吸い込む瞬間、綱さんと勘十郎さんの息遣いがまったくぴったり同時だったんです。このときざざーっと鳥肌がたちました。あの瞬間は忘れられません。あの一瞬だけで6500円払っても損じゃない気がしました。